長命寺川を遡った先に広がる、琵琶湖最大の内湖。
それが「西の湖(にしのこ)」です。
この湖の代名詞と言えば、何と言っても「広大なヨシ(葦)原」。見渡す限りヨシに囲まれたフィールドは、まさにバサーが夢見る「カバー天国」です。
オカッパリができる場所は水車周辺などごく一部に限られるため、西の湖では「レンタルボート」を利用するのが基本スタイルです。エレキ(電動モーター)付きの手漕ぎボートスタイルなので、免許不要で楽しめるのも魅力の一つです。
今回は、西の湖攻略のキモとなる「ヨシ撃ち」の基本、拠点となる「レンタルボート店」、そしてシーズナルパターンについて徹底解説します。
西の湖バス釣りの特徴:シャローとカバーの迷宮
西の湖は、全体的に水深が浅く(平均1.5m〜2m程度)、マッディ(濁り気味)な水質です。
- ヨシの壁: 湖岸線のほぼ全てが植物(ヨシ)で覆われています。この隙間にバスが身を潜めています。
- ボートフィッシング: エンジン船は禁止されており、エレキモーターのみ使用可能です。静かな湖面で、自然と一体になって釣りを楽しめます。
- 風に強い: 本湖が荒れて釣りができない日でも、囲まれた地形の西の湖なら釣りが成立することが多いため、「逃げ場」としても重宝されます。
【地図あり】西の湖の拠点・レンタルボート店
西の湖攻略の拠点となる、老舗レンタルボート店「トムソーヤ(旧トモエ)」周辺の地図です。
▼西の湖の拠点(レンタルボート トムソーヤ周辺)の地図
※ここを拠点にボートを出し、湖全体や長命寺川方面へ移動します。
1. 湖岸のヨシ(葦)際
西の湖全域に広がるメインポイントです。
- 狙い方: テキサスリグやラバージグを、ヨシの隙間や奥へ静かに落とし込む「ピッチング」や「フリッピング」で攻めます。落ちてくるエサを待ち構えているバスに口を使わせます。
- 巻き物: ヨシの際(エッジ)ギリギリを、スピナーベイトやクランクベイトで通すのも効果的です。特に風が吹いてヨシが揺れている時は、バスの警戒心が薄れ、ハードルアーに果敢にアタックしてきます。
2. 浚渫(しゅんせつ)跡・ブレイク
湖の沖合にある、人工的に掘られた深みです。
- 狙い方: 見た目には何もない沖ですが、魚探や地形変化を頼りに、ダウンショットリグやネコリグで底の変化を探ります。ハイプレッシャーで岸際から離れたバスが溜まっています。
レンタルボートを利用しよう!
西の湖には数軒のレンタルボート店があります。手ぶらで行っても、ライフジャケットやバッテリーのレンタルが可能です。
- トムソーヤ(旧トモエ): 西の湖で最もメジャーなボート屋さんの一つ。桟橋からすぐにポイントへ行けます。
- 石田丸: こちらも老舗。親切な対応で初心者にもおすすめです。
※ボートの予約や料金、営業時間については、各店舗の公式HPや電話で事前に確認することをおすすめします。
季節別:西の湖の攻略パターン
- 【春】プリスポーンのヨシ撃ち
- 3月〜4月、産卵を意識したデカバスが、浅場のヨシの中に入ってきます。ラバージグやテキサスリグで、丁寧にヨシの根元を探りましょう。「コンッ!」という明確なバイトが出れば、高確率で良型です。
- 【夏】フロッグゲーム
- ヨシやヒシモ(水面を覆う草)が濃くなる夏は、中空フロッグ(カエルのルアー)の独壇場です。カバーの上を這わせたり、隙間で首を振らせたりすると、水面が炸裂します。雷魚が釣れることも多いエキサイティングな季節です。
西の湖のバス釣りポイントのまとめ
西の湖は、どこか懐かしい日本の原風景の中で釣りができる貴重なフィールドです。
ボートの操船技術や、正確なキャスト精度が求められますが、それゆえに「釣った!」という満足感は格別です。ぜひレンタルボートを借りて、ヨシの迷宮攻略にチャレンジしてみてください。
