琵琶湖のヘビキャロにおいて、釣果を大きく左右する要素の一つが「圧倒的な飛距離」です。
沖のブレイクラインやウィードエッジまで確実にルアーを届けるためには、ロッドの性能もさることながら、リールのスプール径やブレーキ性能、そしてラインキャパシティが極めて重要になります。
今回は、各メーカーのラインナップの中から、「ヘビキャロの遠投性能と巻き上げパワー」に優れたベイトリールを5つ厳選して紹介します。
最新のテクノロジーを搭載したハイエンドモデルを中心に、それぞれの特徴や搭載されている技術について解説します。
ヘビキャロ用リール選びのポイント
ヘビキャロに適したリールを選ぶ際は、以下のスペックに注目することが一般的です。
- 十分なラインキャパシティ:14lb〜16lbのラインを100m以上巻けること。
- 高い遠投性能:大口径スプールや、空気抵抗の大きいリグに対応したブレーキシステム。
- 巻き上げスピード:遠投先でのフッキングと回収をスムーズにする「XG(エキストラハイギア)」が推奨されます。
シマノ 23アンタレスDC MD
ストロングゲームを完遂するために開発された、シマノのフラッグシップモデルです。
主な特徴とスペック
前作から最大の変更点は、低慣性化された「MGLスプールIII」の搭載です。これにより、立ち上がりの軽さと伸びのある弾道が期待できます。
ブレーキシステムには「4×8DC MD TUNE」を採用。内部ダイヤルで「XBモード」を選択することで、空気抵抗の大きいルアーでもバックラッシュを抑えつつ、最大限の飛距離を出す設定が可能となっています。
また、最大ドラグ力が6.0kgに設定されており、ウィードに潜られた際も強引に引き剥がすパワーを備えています。
シマノ 25アンタレス
遠心ブレーキファン待望の、SVSインフィニティを搭載した最新鋭モデルです。
主な特徴とスペック
デジタルコントロール(DC)ではなく、あえてアナログブレーキである「SVSインフィニティ」を採用しているのが最大の特徴です。外部ダイヤルによる細かなブレーキ調整が可能で、アングラーの技術次第で伸びのあるキャストフィールを実現します。
最新の「サイレントチューン」により、スプール回転時の振動を徹底的に排除。キャスト時の静粛性と回転の滑らかさが追求されています。自分の指でサミングをコントロールし、飛距離を稼ぎたいアングラーに向けた一台です。
ダイワ IM Z LIMITBREAKER XH TW HD-C
ダイワが提唱する「コネクティングシステム」を搭載した、次世代のベイトリールです。
主な特徴とスペック
最大の特徴は、スマートフォンアプリと連携してブレーキモードを拡張・更新できる「インテリジェントマグフォース」です。ヘビキャロに適した「ロングキャストモード」などをダウンロードして使用することができます。
基本スペックも高く、φ38mmの大口径スプールとラインキャパシティ(PE4号-100m / ナイロン20lb-100m前後)を備えており、太いラインを使用した超遠投ゲームに対応します。高剛性なハイパードライブデザインボディにより、重量級のシンカーも安定して巻き取ることが可能です。
シマノ 21アンタレスDC
バーサタイル性能を極限まで高めた、アンタレスシリーズの中核モデルです。
主な特徴とスペック
MD(モンスタードライブ)と比較して、より幅広いルアーウェイトに対応する「4×8DCブレーキ」を搭載しています。3/4oz(約21g)前後の軽めのヘビキャロから、通常のプラグまで快適に扱える汎用性の高さが魅力です。
「マイクロモジュールギア」によるシルキーな巻き心地は健在で、水中の地形変化やウィードの有無を手元に明確に伝えます。12lb〜14lbラインをメインに使用する場合や、様々な釣り方を一台でこなしたい場合に適したスペックとなっています。
ダイワ スティーズ A II TW
堅牢なアルミボディを採用し、過酷な使用環境にも耐えうるタフモデルです。
主な特徴とスペック
ブレーキシステムには「MAG-Z BOOST」を搭載。キャストの中盤から後半にかけてブレーキ力を弱める制御を行うことで、着水直前の一伸びをアシストする機構です。
φ34mmのG1ジュラルミン製スプールは立ち上がりが鋭く、中距離から遠距離のキャストをテンポよく繰り返す釣りに適しています。高負荷がかかるヘビキャロの釣りにおいて、ボディの歪みを抑える高い剛性は大きなメリットとなります。
ヘビキャロで使いたいリールのおすすめのまとめ
今回紹介した5機種は、いずれもヘビキャロにおいて十分な性能を発揮するリールです。
- 23アンタレスDC MD:トラブルレス性能と最大飛距離のバランスを重視する場合。
- 25アンタレス:遠心ブレーキのキャストフィールと操作性を好む場合。
- IM Z LIMITBREAKER:最新の電子制御と大口径スプールによるパワーを求める場合。
- 21アンタレスDC:ヘビキャロ以外の釣りにも幅広く対応させたい場合。
- スティーズ A II TW:高い剛性とMAG-Z BOOSTによる後半の伸びを重視する場合。
ご自身の使用するラインの太さや、メインとなるフィールドの状況に合わせて、最適な一台を選んでみてください。
