琵琶湖の最北端に位置し、圧倒的な水深と透明度を誇る聖地。
それが「奥琵琶湖(おくびわこ)」エリアです。
このエリアは、山が湖にそのまま落ち込むような地形で、岸からすぐに水深10m〜20mまで落ち込む「ドン深」のポイントが多数存在します。南湖のようなウィードの釣りではなく、「岩(ロック)」や「地形変化」を釣るスタイルが基本です。
景色も水も美しく、ただルアーを投げているだけで心が洗われるような場所ですが、「釣り禁止エリア」や「季節限定のルール」が多いため、事前の情報収集が不可欠です。
今回は、奥琵琶湖の主要ポイントである「海津大崎」、「塩津浜」、「大浦」の攻略法と、絶対に知っておくべき「アユ保護水面のルール」について徹底解説します。
奥琵琶湖バス釣りの特徴:岩とディープ
奥琵琶湖は、サイトフィッシング(見えバス狙い)とディープ攻略の両極端な釣りが楽しめます。
- ロックエリア: 湖岸には大きな岩(ロック)が点在しています。この岩陰に、エビやカニを捕食するデカバスが潜んでいます。
- ドン深の地形: 岸から数メートルで一気に深くなるため、足元がすでに一級ポイントです。メタルバイブやネコリグで、足元の壁沿いを落とし込む釣りが有効です。
- クリアウォーター: 水がきれいすぎて、太いラインだと見切られます。フロロカーボンの5lb〜6lbなど、少し細めのラインを使うか、逆にリアクションで口を使わせる工夫が必要です。
【地図あり】奥琵琶湖周辺のバス釣りポイント
奥琵琶湖のシンボル的な存在である「海津大崎」周辺の地図です。
▼奥琵琶湖のメジャーポイント「海津大崎」周辺の地図
※桜並木で有名な岬エリアです。春の桜シーズン(4月上旬)は交通規制がかかるため、車での釣行は避けてください。
1. 海津大崎(かいづおおさき)
湖岸道路沿いに岩場が続く、ロクマル実績の高いエリアです。
- 特徴: 岸沿いにゴロタ石や巨岩が沈んでおり、そのすぐ外側は水深があります。
- 狙い方: 春のスポーニングシーズンに、岩場に差してくるデカバスを狙います。ビッグベイトやスイムジグで中層を巻くか、ダウンショットで岩の隙間をネチネチ誘います。
- 注意: 「海津大崎港の桟橋」は釣り禁止・立ち入り禁止です。絶対に立ち入らないでください。
2. 大浦(おおうら)エリア
奥琵琶湖の中でも比較的足場が良く、駐車スペースもある人気エリアです。
- 特徴: 砂利浜(ジャリ浜)とゴロタ石が混ざる地形です。夜釣りでのデカバス実績も高いです。
- 狙い方: 浜からのウェーディングや、護岸からのキャロライナリグで広範囲を探ります。特に「大浦川」の河口周辺はベイトフィッシュが溜まります。
3. 塩津浜(しおつはま)
北湖の最北端に近いエリアです。
- 特徴: 「大川(塩津大川)」の流れ込みがあり、遠浅の浜が広がっています。
- 狙い方: ウェーディングで立ち込み、トップウォーターやミノーで広く探ります。水通しが良いため、夏場でも魚影が濃いです。
奥琵琶湖の主要河川(大浦川、塩津大川、知内川など)は「アユ保護水面」に指定されています。
毎年 9月1日 〜 11月30日 まで
この期間は、河川内および河口から半径200m以内の区域で、アユを含むすべての水産動物の採捕が禁止されています。
※この期間に河口付近で釣りをすることは、密漁の疑いをかけられる行為ですので絶対にやめましょう。
駐車場情報:大浦園地を利用しよう
奥琵琶湖は道が狭く、駐車スペースが限られています。
湖岸緑地 大浦園地(おおうらえんち)
- 場所: 大浦エリアにある公園です。
- 料金: 無料
- 設備: トイレあり。
- メリット: ここに車を停めれば、大浦の浜エリアを徒歩でランガンできます。最も安全で確実な拠点です。
季節別:奥琵琶湖の攻略パターン
- 【春】桜とビッグバス
- 海津大崎の桜が咲く頃、産卵を控えたスーパービッグがシャロー(浅場)の岩場に上がってきます。スイムベイトやジャークベイトで、中層を漂わせるように誘うと、下から黒い影が浮上してきます。
- 【夏】虫パターンとトップ
- 木が水面に覆いかぶさる(オーバーハング)場所が多い奥琵琶湖では、夏に「虫ルアー」を水面に落とす釣りが効きます。落ちてきたセミや甲虫を演出して、水面を割らせましょう。
奥琵琶湖のバス釣りポイントのまとめ
奥琵琶湖は、釣れる魚のクオリティも、目の前に広がる景色も、すべてが最高ランクのフィールドです。
しかし、その自然を守るためのルールも厳格です。「秋の河口には近づかない」「桟橋には乗らない」。これを徹底して、静寂の奥琵琶湖で夢の一匹を追いかけてみてください。
